加熱式タバコは本当に“安全”?科学が示す健康リスクとは
- Fukai NNPO

- 9月3日
- 読了時間: 2分
加熱式タバコ(Heat‑Not‑Burn、HTP)は「火を使わず安全」といわれがちですが、最新の研究結果からは健康への潜在的なリスクが多く報告されています。本記事では、科学的なエビデンスに基づいて、加熱式タバコの危険性を詳しくご紹介します。
1. 有害物質の含有
加熱式タバコは煙ではなく蒸気を発生させますが、その蒸気にはニコチンをはじめ、多数の発がん性物質や毒性化学物質が含まれています。従来の紙巻きタバコと比べて量が少ないこともありますが、それでも「無害」とは言えません。
2. 有害成分の比較と信頼性の限界
WHOは、「加熱式タバコが有害物質の量を減らしたとしても、それによって健康リスクが低減されたと証明されるわけではない」と警告しています。特定の有害物質が従来より少なくても、他の有害物質がより多く含まれていたり、未知の毒性をもつ物質が含まれている場合があるため、慎重な評価が必要です。(参照元 URL : https://www.who.int/news/item/27-07-2020-who-statement-on-heated-tobacco-products-and-the-us-fda-decision-regarding-iqos)
3. 心血管への速やかな害
最近のレビュー研究では、加熱式タバコの使用によって血圧や心拍数の増加、血小板の凝集、炎症マーカーの上昇など、急性・短期的な心血管系への悪影響が確認されています。これらは、血管機能障害や動脈硬化のリスクを高める可能性があります。
(参照元 URL : https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12385413/) さらに別の研究でも、血管の硬化や血栓形成につながる兆候が報告されています。(参照元 URL : https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0021915023052565)
4. 発がんや動脈硬化への間接的な影響
加熱式タバコおよび電子タバコが動脈硬化や酸化ストレスを促進する可能性があるとの研究もあります。これにより、心血管疾患のリスクの増加が懸念されています。(参照元 URL : https://www.mdpi.com/2076-3921/13/11/1395)
5. 科学的エビデンスは不十分/開発者バイアスの懸念
ある包括レビューは、加熱式タバコ(特にIQOS)の健康影響に関して、メーカーが関与した研究と独立研究の間で結果にばらつきがあることを報告しています。
独立した科学的評価が不可欠としています。 (参照元 URL : https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11145630/) また、最近のメタ解析では、短期的な健康指標では紙巻きタバコなどと比較した明確な改善は見られず、結論を急ぐにはデータが不十分であるとされています。 (参照元 URL : https://tobaccocontrol.bmj.com/content/early/2025/04/16/tc-2024-059000)
6. 結論:リスク評価と禁煙の重要性
加熱式タバコは「安全な代替品」と断定できず、むしろ心血管や呼吸器、長期的なリスクへの影響が懸念されています。健康を守るためには、加熱式タバコを含めたすべてのニコチン製品から離れることが最も確実な方法です。科学的根拠に基づく禁煙支援の活用が推奨されます。




コメント